「育てる」の選択肢は1つじゃない。
可能性の枠を外に広げて見つけた
教員以外の道
まず初めにブランディングポートとの出会いを教えてください。
部活の先輩からの紹介です。
教育単科大学の出身なので、当時は周囲に企業に勤めるという選択を考えている人が少なくて。「やり方もわからないし似たようなキャリアを考えている人もいなく、どうしよう」と悩んでいるときだったので、頼ってみようと思ったんです。
なぜ教員ではなく企業に勤めるというキャリアを考えていたのでしょうか。
教育実習を通して「子供たちに対して勉強を教えるだけではなく、人としても成長させていかなければいけない」と感じたことが大きいです。人間性を教育するという観点で、あえて一般企業での経験を経るからこそできることもあるのではないかと。
加えて今まで知り合った教員の方の中に、一度企業に就職してから教員になった方がいらっしゃったこともきっかけの1つですね。
「教育」を軸にした上であえて就職のキャリアを選んだのですね。そもそもなぜ教育にご関心を持ったのでしょうか。
小学校の人間関係で苦しんでいた時に当時の先生たちが本気で自分にかかわってくれたことから、「自分も子供に自信をつけられるような存在になりたい」とずっと思っていたんです。
なので小学校の時からずっと、教員になることを夢見てキャリアを考えていました。
教育を軸にしたキャリアを歩まれるうえでなぜ玩具に携わろうと思ったんですか。
教育実習中に僕が考案した輪ゴム鉄砲が子供たちの間で流行り、「玩具からでも子供たちに気づきを与えるきっかけになる」と考えたんです。輪ゴム鉄砲用の的を作ろうと子供たち同士でアイデアを出し合ったり、互いに作った輪ゴム鉄砲を褒め合ってくれたり。「玩具一つとっても、子供たちの創意工夫の心や人格形成など、生きた教育の場が生まれる」と体感したんです。その時から、子供たちに一番身近かつ教育のきっかけを生み出せる「玩具」に関心を持つようになりました。
教育実習での体験から、企業経験や玩具を通した教育の可能性に気づいたんですね。B-COMPASSでも経験の深堀をするプログラムがありますが、価値観の変化や気づきはありましたか。
「今までの自分がまさに井の中の蛙で、考え方の枠を広げればもっと可能性がある」とハッとさせられました。
当時の自分は「子供たちを教育したいから教員になる」という考えを信じて疑っていなくて。ですが一度考え方の幅を広げれば、学校だけではなくモノや施設空間を使っても教育はできますし、対象を子供たちに限定するだけではなく、大人への教育も考えられますよね。B-COMPASSで背景や業界の違う様々な社会人と対話する中で自分の思考の幅が広がり、本当にやりたかったことを形作っていけたと感じています。
横山さんが思うブランディングポートの魅力を教えてください。
一人ひとりの人柄を見て、親身になりながら考えに深みを持たせてくれる点だと思います。
教員志望から企業への就職という、自分にとっては大きなキャリアチェンジだったのですが、ブランディングポートでは「なぜ教員になりたいのか?」「そもそも横山君が考える『育てる』とはなんだっけ?」と根幹の定義づけから伴走してくれて。教員を志すようになったきっかけを話した時も「当時、横山くんはどんな感情を感じた?」「子供たちになってほしい『笑顔』とは具体的にはどんな状態?」など様々な切り口から問いかけていただき、僕にとっての「子供を育てること」は「子供たち一人ひとりが前向きな自信を生み出せること」と行き着いたんです。
ブランディングポートの学びの中で社会人生活でも活かせているものはありますか。
2つあると思っています。
1つは自分の強みである「どんな環境でも飛び込んで挑戦する力」を活かすこと。現在玩具メーカーで新商品開発に携わっているのですが、組織にとって必要だと感じたことを臆せずに発言したり、周囲に自分から働きかけたりすることを無理なく続けられています。
もう1つは、自分の考えている範囲から可能性の枠を一歩外に広げるようにすること。「仕事以外の環境でも、自分のやりたいことや価値観を深められそうなことを作りたい」と思い、活動するようにしています。それこそ卒業生としてブランディングポートにもかかわりながら学生にキャリアセッションを行ったり、ボランティアで子供たちに働くことの楽しさを伝えたり。他者に「前向きな自信を生み出すための取り組みをしたい」という軸の下、やりがいに繋がっています。
最後に、これからのキャリアを考えている大学生に一言お願いします。
キャリアを決めることは自分の人生においても非常に重要な決断ですし、たくさん迷ったり悩んだりすると思うんです。そんな中でも一人ではなく、とにかく遠慮なく周囲の大人や仲間達を頼って一緒に進めていって欲しいです。僕も「自分のようなキャリアに悩んでいた人を支えたい」という想いがあるので、全力で応援しています!